すくい織り名古屋帯(単衣・夏用 図案:徳田義三 制作:枡蔵順彦)
引き続き、単・夏用の名古屋帯をご紹介します
昭和初期から中期にかけて活躍された、図案家・徳田義三さんのデザインの名古屋帯です

『徳田義三さんのこと』
徳田義三さんは大正末期に図案家・高橋白壱扇氏に師事し、独立後に糸染めの技術や織り組織の研究を重ねながら西陣の織屋をわたり歩いて、数多くの図案や織り組織の指示書を残しました
それまでは古典模様の踏襲・模倣といった枠に囚われがちであった西陣織りの世界に、独自の美意識に基づいた多くの秀作を送り出した伝説の図案家です
現在でも、丹波屋・帯屋捨松・しょうざんといった織屋をはじめ、西陣や室町に図案が残されています
氏の秀でたところは、西陣織の職人として積み重ねた経験により、、染めに精通し、あまたある糸の種類を見極める力量を持ち、織り組織の見識が深いことです
単なる図案だけではなく、自ら複雑な織り組織をも含めてデザインするわけですから、味わい深い作品ができるわけです
作風は古典模様・欧風模様・古代模様など広範囲にわたり、月並みな言い方になってしまいますが大胆な構図・力強い線・個性的な色使いが特徴です
西洋絵画史でたとえていえば、実写主義の時代から印象派を経て現れたポスト印象派のゴッホやゴーギャンを彷彿とさせてくれます


c0211492_9038100.jpgすくい織り名古屋帯(単衣・夏用)

天平華紋と名づけられた、すくい織りの名古屋帯です
夢訪庵さんに残された徳田義三さんの図案が使われています
彩色は桝蔵順彦さんのオリジナルで、白から薄グレーにまとめられていて、これからの季節に最適ですね
天平文化を連想させるような、大胆かつおおらかなタッチで草花模様が描かれています
お太鼓からたれ先にかけては目の詰まった袷向きの生地に、そしてお太鼓から腹紋までの間はすけ感のある波織りで単衣・夏向きの生地に織られています
模様部分では両方の組織が複雑に織り分けられていて、織り手の技術の高さを伺い知ることができます
長く呉服屋をし、毎月京都にでかけていると、どうしても手元に置きたいと思うお品に出会うことがあります
この帯も手にとって見るたびに、そのクオリティの高さと個性的なデザインにうれしくなってしまう、そんな秀作です
もちろん京都・西陣の手織りのお品です

織り組織の構成上、厚地の夏帯とお考えください
5月下旬の単衣から9月下旬までの季節に、紬や小紋・お召しなどに合わせます









c0211492_923738.jpg模様の拡大画像です
ただでさえ細かく織られたすくい織りに、表情の異なる波織りが絡まるように織り込まれています















c0211492_912546.jpgお腹部分の模様です



















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