地色の染め替え (京友禅訪問着)


お手入れ・リメイクのこと

「きものサロンまるよ」はお客様の身近にあって、お客様のきものに関する様々なお困り事を
専門家の立場で解決してさしあげられる呉服店でありたいと願っています

寸法直しやお仕立て替え、しみ抜きやクリーニング
訪問着・色留袖・色無地などの地色の染め替え
帯締め・帯揚げ・重ね衿などのコーディネートなど
きものでお困りの事ならどんなことでも、お気軽にご相談ください

とくに最近は、古くなり汚れが目立つきものや派手になってしまったきもののリメイクや
お母様やご友人から譲り受けられたきものの寸法直しなどのご相談をお受けすることが多くなりました
じつは今日も、2組のお客様にリメイクのご相談をいただきました
お母様から譲り受けられた黒留袖のお手入れと、比翼付け・寸法直しのご相談と
お嬢様にご自身の振袖を着せたいとおっしゃるお母様の、リメイクとコーディネートのご相談でした
「思っていたよりお安く上がりそうね」と喜んでいただきました
お品をご持参いただければ、1点ごとにかかる経費と期間をお見積もりいたします
どうぞお気軽にご相談ください

(世界文化社の季刊「きものサロン」2010年春夏号にも、「母譲りのきもの・箪笥の中身が蘇るおしゃれ技100」という特集が組まれました
その中で「きものサロンまるよ」も、編集部太鼓判・お手入れお直し全国呉服店・悉皆店としてご紹介いただきました)

前置きが長くなってしまいました
このブログでも、実際のお直しがどのようにできるのかを
お客様のご了解をいただき、ビフォア・アフターの画像をご覧いただきながら
少しずつご紹介してまいりたいと思います


今回は、京友禅染め訪問着の地色の染め替えです

地色の染め替え (京友禅訪問着)_c0211492_1773254.jpg地色の染め替え (京友禅訪問着)_c0211492_1774938.jpg



























左の画像がお直し前、右がお直し後です
相当お召しになり、グレーの地色が退色してしまった訪問着の地色を、模様をそのまま残す形でこげ茶色に染め替えました

一連の加工を説明いたします・・・
きものに汚れがあると均一な染めが難しいので、最初にきものを解いて洗い張りし、汚れを落とします
模様の通りに緻密にカットした「えんぶた」(マスキングシールのようなもの)を、模様に合わせて張りつけます
上から地色を染めて、色を定着させるために蒸し、洗いで余分な染料を落とします
長い間に黄変(おうへん)してしまった白い橘の花を、上からもう一度白い染料(胡粉)で彩色し、薄グレーのカチン染めで模様を整えます
その後、地色と模様との境界線と、友禅の糸目糊の部分に細い線で新たに金彩をほどこします(印金加工)
このきものの場合は、濃い地色によってきつい印象になることを防ぐために、金の切り箔を散らしたように金彩を加えました
この画像は上前部分だけのもので、もちろんきもの全体に同じように加工をほどこしています
八掛も同じ色に染め替えました

お客様には、新品のように蘇ったとたいへん喜んでいただきました

かかった費用は、解き・洗い張り(表地、八掛、胴裏)・地色の染め替え・八掛の染め替え・胡粉加工(白の彩色)・印金加工(糸目金彩)・金彩加工(切り箔)の合計で約8万円でした(お仕立て代は別途)




きものサロンまるよ
916-0026 福井県鯖江市本町2丁目1-20
TEL 0778-51-0236 FAX 0778-51-8384
Top▲ | by maruyo0236 | 2010-07-05 00:09 | お手入れ お直し
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