西陣お召し
今回は、西陣お召しをご紹介します。

きものを大まかに分けると、「先染めのきもの」と「後染めのきもの」に分けることができます
「先染め」は、糸の段階で精練(※)をして染めてから織り上げた布のことで、紬やお召しなど普段着や街着になります
「後染め」は、生糸で白生地を織った後に精錬し、それから染めをほどこした布で、色無地・小紋・訪問着・留袖などあらたまったお席向きのきものということができます
  (※)精錬とは生糸に含まれるセリシンを取り除く作業で、それをすることによって絹らしい光沢やしなやかさが生まれます

「先染めのきもの」の中でも、紬が節のある紬糸で織られるのに対して、お召しはつややかな絹糸で織られます
中でも西陣お召しは1mの糸に2500回転~2800回転のよりをかけて織られることが多いので、別名「お召しちりめん」とも呼ばれます
その生地の持つしゃり感や生地の強さが特徴で、旅館や料亭の女将さんの仕事着や、お茶のお稽古着としても人気のあるきものです

今回はその中でもシンプルモダンなコーディネートをご紹介します


西陣お召し_c0211492_15325576.jpg〈きもの〉
紋織りの西陣お召し

墨黒地にこげ茶で約1.5cmの円が整然と並んで織り込まれています
円のふちはコーヒーブラウンで縁取られていて、アクセントとしてところどころにベージュの点があしらわれています
遠目には黒に近いこげ茶に見えますが、近づくとはっきりと地紋がわかります
小紋と同じ感覚で、クラス感のあるおしゃれ着としてお召しください
今回は、きものが細かな全体模様なので、無地場の多いモダン感覚の帯を合わせました
洋服でいえばスーツ感覚の、スタイリッシュなコーディネートです
きもの然としていないところが、この布の持ち味です
価格126.000円(本体価格120.000円)


〈帯〉
織楽浅野さんの名古屋帯

デジタルフラワーと名づけられた、とてもモダンな名古屋帯です
サンドベージュの地に2種類の銀糸・金糸・ココアの色糸で、抽象的な花が織り出されています
遠くシルクロードから伝わった唐草模様の花をモチーフにしているようです
織り上がってからふくれ織りのように変化する糸が使われていて
模様部分にボリュームを出しています
織楽浅野さんの帯は、余計な装飾をそぎ落としたシンプルな意匠と、色の個性である彩度を落としたまとまりある色構成で、まるよでもとても人気のある機屋さんです



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お腹部分の模様は、一方の模様が大きく織られています
これは前幅を広く折って着ることができようにとの心遣いです
名古屋帯でも手の部分を二つ折りにせずに、お太鼓と同じ幅に仕立てることで
袋帯のようにお腹部分を広く折って着付けることができる「開き仕立て」があります
まるよでは、背の高い方やふっくらさんにお薦めしていて、とても人気があります

お手持ちの名古屋帯を「開き仕立て」に仕立て替えすることもできますので
名古屋帯は前幅が狭くて・・・とお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください


きものサロンまるよ
916-0026 福井県鯖江市本町2丁目1-20
TEL 0778-51-0236 FAX 0778-51-8384
Top▲ | by maruyo0236 | 2009-10-16 15:34 | 織りの布
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