本糊京友禅染め名古屋帯 ( 野口安左衛門 )
前回に続いて染め名古屋帯をご紹介します

「染め帯はどんな着物に合わせたらいいの?」というご質問をよくいただきます
染め加工をほどこした帯は、そのほとんどが名古屋帯ですから、礼装のきものに合わせるのは役不足ですね
やはり、小紋・色無地・紬・お召しといった、おしゃれ着に合わせることになります
とくに昔から「織りのきものに染めの帯、染めのきものに織りの帯」といわれるように、おしゃれ上級者の方は紬に合わせて季節の染め帯をお楽しみになられています

染めの方法も、直接の手描き・絞り染め・ローケツ染め・型染め・友禅染めなど多岐にわたっていますので、お召しになる方の個性を存分に出すことができるアイテムですね
また、きものでは躊躇してしまう季節限定の模様も、帯でなら比較的お気軽にお楽しみいただけるのではないでしょうか


本糊京友禅染め名古屋帯 ( 野口安左衛門 )_c0211492_2359260.jpg〈帯〉
本糊京友禅染め名古屋帯

京都・野口さんの本糊糸目京友禅です
濃い茄子紺色の太しぼちりめん地に、大柄の菊が染められています
野口さんには珍しく菊の花だけを大胆に図案化して、白で際立たせています
葉の部分は実写に近いデザインで、花の大きさに対して小さくあしらわれています
この色のバランスと模様の大小のコントラストが、帯に立体感と奥行きを感じさせてくれるのです
模様の丈も長く、染め帯とは思えない存在感があります
控えめな色使いであるにもかかわらず、華やかさのある秀作です
小紋・無地・紬に合わせます
お茶のお席なら、無地感覚の付け下げにも合わせていただけるかと思います


二枚目の画像は模様部分の拡大です
しぼの高い太しぼちりめんに本糊糸目を置くには、熟練の技術が必要です
特に細い糸目を置くには硬い糊を使わなければならず、力を入れた指先でゆっくりと、しかも生き生きした線を描くことが必要となります

三枚目の画像は、野口さんではなく桑垣さんという染め問屋の付け下げの模様部分の拡大です
本糊糸目の美しさを最大限に引き出した例として掲載しました
太い細いを描き分けた伸びのある糸目が、惚れ惚れするほどきれいです
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本糊京友禅染め名古屋帯 ( 野口安左衛門 )_c0211492_0252011.jpg


















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Top▲ | by maruyo0236 | 2009-11-03 00:40 |
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